▼なぜ教師は,自分の実践を発表するのでしょうか?
学会で発表する教師がいます。
研究会で発表する教師がいます。
中には,自分で研究会をつくって,そこで発表する教師もいます。
本の形で発表する教師もいれば,論文の形で発表する教師もいます。
研究授業は,学校によっては,全員が発表する場合もあります。
なぜ教師は自分の実践を発表するのでしょうか?
教師が自分の実践を発表するのは,
「よりよい教育を生み出す道に自分も参加したい」という熱意の表れです。
▼よりよい教育を目指しているからこそ,新しい実践をするのであり,
その実践を発表するのです。
よりよい教育は,一人の力で創ることは至難です。
ですが,何人もの志をもった教師が,よりよい教育を生み出す道に参加すれば,それは大きな推進力になります。
だからこそ,本や論文などで,自分の実践を発表するのです。
それを読んだ人が,その実践を改良し,新しい実践を創っていけばよいのです。
▼さて,「よりよい教育を生み出す道」に参加するとして,
一人で,オリジナルの実践を創ろうとしても,それは「至難」です。
たった一人が,「0(ゼロ)」から始めるのでは,時間も労力もかかる上に,結局「できなかった」で終わる事も多々あるからです。
ここで大切なのは,「先人の知恵を学ぶ」ことです。
志ある先人達は,「よりよい教育を生み出す道」に参加してきました。
そして,それらを本や冊子など何らかの形でまとめているはずなのです。
それを手に入れた上で,自分らしい教育の道を創っていけばよいのです。
つまり,先人が苦労して生み出してきたこれまでの教育の進歩や成果を学ぶことが大切になるのです。
ただし,本を買うときに気を付けることがあります。
それは,それが,先人の知恵を反映したものであるかどうか,ということです。
単なる,教材の宣伝,研究会への勧誘,自画自賛,といった本もあるので,注意しないといけないのです。
これまでの教育の進歩や成果を反映した,それを踏まえた本だからこそ,学ぶ価値があるのです。
先人の到達点を謙虚に学び,そして,自分なりの「教師道」,「教育道」を考えていけばよいのです。