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子どもの可能性を引き出し,伸ばす

教師の資質を高める 

持久走第一時の指導 「心構え」と「技術」 


 

マラソンの練習に向けて話をしました。

◇マラソンの練習が冬になると始まります。

どの学年も練習真っ只中です。    
持久走は「持久力が身につく」,「健康にいい」などのよさがあります。  
いいところをまとめると,「心も体も強くなる」というところでしょうか。  

ただし,体に無理がかかっては,心にも体にも悪いということにもなりかねません。
そこで,大切なのが  『ペースランニング』です。  
ペースランニングとは,自分にとって一番いい走る速さで走ることをいいます。

◇ということで,マラソンの授業や練習が始まったときに,最初にする話があります。

自分にとって一番いい速さで走るためには,その速さを見つけなくてはなりません。
授業では,一人一人に合ったペースを見つけるために,運動場一周ごとのタイムをとっています。  
例えば,一周を40秒で走っているのなら,次は一周を35秒ぐらいで走ってみて,最後まで同じペースが続くかを確かめます。  
走っている途中,「こんなに速いペースだと無理だな・・・。」とか, 「これぐらいの速さなら,最後まで行けそうだぞ・・。」 というように考えながら走ります。  
考えながら走るというのが大切です。
ペースを考えて走ると自分の体のことがわかってきます。  

◇それと,一番いい速さで走るのですから,一周のタイムが同じの方がいいわけです。
「同じペースで走る」ことが大切です。

第18回福岡国際マラソンで優勝した瀬古選手のペースには驚きます。
5kmの区間を,全て15分で走っているのです。
ほとんど時間差がなくて,全ての区間を15分10秒〜37秒の間で走っています。
このように,同じペースで走ることができたらいいわけです。

◇授業の最初に,  「マラソンの練習は,スピード競争をする場ではありません。  

最後まで走り続けることができるかどうかの大会なのです。
最後まで同じ速さで走ることができたら,とってもすばらしいのです。
最後まで走りきって,しかも最高タイムが出たなら,本当にすごいことなのです。」
こんなふうに話しました。
競争をするのではなくて,自分のペースを見つけることができるかどうか。
この一週間で練習します。

◇走り方も教えています。  

 短距離走と違うのは,「あまり腕を振らない」ことです。  
「腕を引くようにする」といったらわかりやすいかもしれません。  
 あとは,音が聞こえるぐらい息をはくことです。 そうすると,息をたくさん吸うことができます。

 こんな風に,「心構え」と,その心構えを具現化するための「技術的な面の指導」を両方行います。
 言い方をかえると,「運動に対するイメージを豊かにする指導」と,「運動のための技術を教える指導」と両方を行うべきなのです。
 両方行うということが,ポイントになるのです。


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