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子どもの可能性を引き出し,伸ばす

教師の資質を高める 

漢字の成り立ちを教える(2) 


 

5年生の漢字の成り立ちを教える授業。
@漢字の起源,A象形文字,B指示文字,C会意文字,D形声文字,及びE形声文字を見て,どの部分が音で,その部分が意味を表しているのかを分析する,という学習が2単位時間で組まれている。
大変多くのことを2時間で教えなくてはならない。
そこで,映像を使って,効率よく,しかも楽しく学習できないかと考え,授業案をつくった。
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1.会意文字を理解する

発問1 復習をします。この形から生まれた漢字は何ですか。

Webワークで示す。自信をもって月という答えがでた。月以外にもあることを伝える。

説明1 夕という漢字もこの形から生まれました。     
    夕方に人の名前を呼ぶとき,暗いので口を大きく開けて,大きな声で名前を呼んだそうです。
    このことから,次のような漢字が生まれました。

「夕+口」で名という漢字が生まれたことを説明する。
 なるほどと声があがる。

説明2 ノートに「漢字の意味を組み合わせてできた漢字」と書きなさい。
このような漢字は,会意文字と呼ばれます。
「意味を合わせる」という意味で,象形文字や指示文字を二つ以上組み合わせてつくられた漢字です。


 「漢字の足し算です。」そう言って,いくつか問題を提示する。
 
 「木+木」=?
 
 予想させ,発表の後,木がたくさんあって「林」という漢字になったことを伝える。
比較的簡単な問題から入ったほうが,抵抗が少なく誰でも楽しんで授業に入ることができる。

 続けて,

  「木+木+木」=?
  「人+木」,「石+山」,「人+言」と順に問題をだしていく。
 

説明3 実はこの種類の漢字の中には,日本で生まれた漢字があるのです。    
    日本人が漢字をつくったのです。すごいですよね。
    この漢字のことを「国字」といいます。

 日本人は,中国で生まれた漢字を学ぶだけではなくて,自分達でつくったということを教える。

発問4 では,日本人がつくったという漢字を今から考えてもらいます。     
 次の意味から生まれた漢字は何でしょう。予想してノートに書いてごらん。

 「田+火」,「山+上+下」を順に提示していき,「畑」,「峠」と,答えが合っているかを確認する。


2. 形声文字を理解する

発問5 次は少し,今までと違った漢字が出てきます。     
    次に示すものはどの漢字ですか。「糸+責」, 「禾+責」

 Webワークで示す。
「糸+責」→績  「禾+責」→積 どちらも,「セキ」と発音するが,「糸」と「禾」で意味が違うことがわかるはずである。

説明4 このような漢字は,意味(形)をあらわす部分と音(声)をあらわす部分を組み合わせてつくられたのです。
 これを形声文字といいます。ノートに書きなさい。


発問6 例えば次のような漢字があります。何の漢字ですか。    
     「シ+青」, 「日+青」,「米+青」

「シ+青」→清  水が清らかな様子。(清い水)
「日+青」→晴  窓から真っ青な空が見える。
「米+青」→精  汚れがなくすみきっている米(精米)
スクリーンで,「シ」は水,「日」はこの場合窓,米は,お米を表していることを伝える。


3. 形声文字を分析する

発問7 では,次の漢字は,どの部分が音で,どの部分が音ですか。    
     「銅」,「管」,「板」などを提示する。

 数名に発表させる。ここまでの説明で,簡単に理解することができた。


4. 漢字クイズをする
説明5 これで,すべての種類の漢字は勉強しました。最終テストです。
    次の漢字の成り立ちを考えなさい。漢字字典は使ってもかまいません。

 家「臣」,「十」人,文「庫」,「洋」服の4つの問題を提示する。
「臣」・・・うつむいた人の目の形。 「十」・・・針の形を記号で示した。
「庫」・・・いえ「广」と車を合わせた字。「洋」・・・水と羊を合わせた字。
子どもたちは辞書で調べるのが大好きである。
一生懸命辞書で調べてノートに書き込む。

指示2 「漢字でき方クイズ」をやります。お隣さんと問題の出しあっこをしてみなさい。


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