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子どもの可能性を引き出し,伸ばす

教師の資質を高める 

体験と知識の教授,両方大切にしよう 


 

5年社会科 「わたしたちのくらしと情報」
で,ニュース作りで現場の仕事を理解させます。

 

◇社会科でニュース作りをしました。

 かなりてんやわんやの状態で,本番の撮影が続けられ,何とか全部のニュースを撮り終えました。

 途中で笑ってしまって,もう1回撮り直しになったり,セリフを間違えてカットになったりと,ハプニングもありましたが,笑いの中でニュース作りができました。

 

◇たまには,こういう体験学習がよいと思います。

ニュース作りをするのは,擬似体験ができるからです。教科書で学習したニュース作りの仕事の内容を,実感として理解できます。

今まで学習した農業,工業,水産業の内容でも,体験できるときには,体験学習を取り入れてきました。

ニュース作りにそんなに時間はかかりません。

ニュースの案を考えて,取材をして,原稿を考えて,編集作業をして・・・,全部して4時間というところです。

 

◇役割は次のようにしました。

 プロデューサー (全ての責任者,ニュースの内容を考える)

 アナウンサー (原稿を読む人。ニュースに出る)

 取材班 (取材のメモを書いて,ニュース原稿を考える)

 編集者 (ビデオ関係を先生と一緒に操作する)

 

◇次の計画で進めました。

1時間目・・・役割を決める,ニュースの内容を考えて,予定を立てる

(インタビューをする場合は,アポイントを休み時間にとっておく)

 2時間目・・・インタビューなど,取材をする

 3時間目・・・取材のメモをもとに,ニュース原稿を考える

        10分のビデオを,2分程度まで縮める編集作業

        資料を提示する場合は,手の空いている人で作成

 4時間目・・・最初の20分はリハーサル+本番前の準備

         残り25分で,ニュースをとる。

 

◇ニュースの時間は,3分〜5分というように指定しました。

 以前ニュースをつくったことがあるのですが,時間は5分もあれば十分です。

たった5分のニュースでも,何もないところから創るとなると大変なことがわかります。  

5分でも大変なのだという実感をもてば,「60分のニュースをつくるには,100人が8時間かけないといけない。」ことも納得できます。

ただ単に,ニュース作りは大変だと,言葉で教えても,子どもは(大人でも)わからないものです。

 

◇時間を指定すると,大変なのが時間を合わせることです。

アナウンサーの難しさや,編集作業の難しさなどが体験できます。

子どもたちが取材のときに撮ってきたビデオは,ニュースの時間を大幅に超えていました。

そこで,だいたい3分の1ぐらいの短さに編集しなければなりませんでした。

本当に伝えたいことだけを伝えるために,情報を選択しなくてはならないのです。

本当のニュースでは,取材でとった何時間ものビデオを,たったの10分程度にしてしまうことはよくあることです。

 こういった編集の難しさは,やってみないと絶対にわかりません。

良いものだけを選ぶ,いらない部分を削るというのは,やってみると難しいことですが,勉強になります。情報を吟味することが,情報化社会で求められていることに一つです。

 

◇アナウンサーもかなり苦労して,家で練習をしてきたほどです。

 本番でも,「誰が撮影の合図をするの?」

 「音楽を鳴らすタイミングは?」

 「拍手などの効果音のタイミングは誰の合図?」

 「音がビデオに近いとうるさいから,どこから音を出せば良い?」

 「ひょっとして花をかざった方がいい??」

 「間違ったことを言ったり,資料を出すのを忘れたりしたら,カンペがいる??」

 などと,教科書では学べない貴重なことが学べました。


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