◇アニメーションボックスというものがあります。
箱でパラパラ漫画を作るという,図画工作の小学校の教材です
◇ 10枚の紙に絵を書いて,箱に入れます。上から落とすと,ぱらぱら漫画になるという具合です。
教材の中に,ぱらぱら漫画のお手本が入っていました。そこで,ぱらぱら漫画を描く前に,見本を見て,イメージをふくらませました。
◇アニメーションボックスを作る上で最も大切なのが,次のことです。
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「動きのあるアニメにする」こと
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どうすれば,動きのあるアニメを作ることができるのでしょうか。
枚数が10枚しかないので,パラパラ漫画のように,動きを少しずつ変えて,動いているように見せる技術は使えません。
そんなことをしてしまったら,話が何も展開せずに終わってしまいます。
かといって,場面が急に展開するのも,パラパラ漫画ではわかりにくいことになってしまいます。
ですから,ここはオーソドックスに「起承転結」の流れで1つのストーリーを作った方がよいのです。
いくつもの物語の要素を入れてしまうと,見ている人が混乱してしまうからです。
◇見本を見終わった子どもたちに,説明をしました。
「パラパラ漫画のように細かい動きで変化をつけると,枚数が 足りなくなってストーリーが最後まで行かないことになります。」
「かといって,場面を急に変えてしまったら,見ている人がストーリーについていけません。」
「だから,この場合は,1つの話に絞って,10枚で動きをつけなくてはいけないのです。」
このように,ポイントをおさえていきました。
◇その後,「アニメの動きをはっきりさせるための方法はどんなことが考えられるか?」を聞きました。
子どもたちが考えたのは,以下の通りです。
1 動かない背景の中に,動くものを描く
2 あまりごちゃごちゃ描かずに,対象を1つに絞って大きく描けばいい
3 植物の成長など,ある程度予想できるものだと動きがはっきりする
4 昼から夜,晴れから曇りになるなど,色をつかって時間を表現すれば動きがわかる
5 人間の成長のように,場面が次々と変わっていっても,予測できるものにするなどが考えられました。
◇アニメーションの動きをつくるためのコツが考えられたら,さっそく下書きを書き始めました。
子どもの中には10枚の制限を飛び越してしまって11枚になる子もいました。
また,あまりに次の場面が飛躍しすぎていて,パラパラ漫画では,場面の展開についていけないということも起こりました。
そこで,隣の人や私が確認をして,場面が急に変わりすぎていないかどうかをチェックすることにしました。
描いた本人は,場面の展開がはっきりとわかっているからイメージできます。
でも、第三者に見てもらうと,急に展開が変わっているような印象を受けることもあります。
なるべく,ゆるやかに展開していくアニメーションになるように工夫できるかどうかがカギでした。
下書きの時点でしっかりとアニメの動きをチェックできれば,後の作業は簡単でした。
下書きをそのままカードに写して完成です!なかなかおもしろいものができあがりました。
図画工作の指導のポイントは,やはり,「お手本を見せて」,「コツを共有すること」です。