そのため,絶版の本でも,かき集めて読むようにしています。
「生活する教室―北方の教師の記録」鈴木道太,東洋書館 (1951)や,「石に咲く花 (北大路選書)」田村一二,北大路書房(1966)などです。
他にも,今から,80年ぐらい前に実践された教育本を読んでいます。
様々な実践が,行われていて参考になります。
その中でも,討論の授業がかなり活発に行われていることがわかります。
今から,80年前の討論の授業です。
実践の中には,「授業の最初から終わりまで,討論が中心」というものもあります。
子どもだけで,討論を行い,授業を進めていくわけです。
もちろん,言いっ放しの討論ではありません。
子どもはちゃんと,資料を用意し,ノートいっぱいに調査してきたメモを用意し,その上で討論をするわけです。
調べたことを中心に討論をしているわけですから,上滑りすることも少ないと書かれています。
◇大昔の本でも,ちゃんと,「討論のやり方」,「授業における討論の組織の仕方」という内容が紹介されていることがあります。
中には,「教師のための,討論を成立させる授業技術」も事細かく,述べられていて,参考になります。
◇特に,大正自由教育運動の中で,教師たちは,様々な実践を発表しており,とても参考になります。
また,子どもが活発に意見を言っている,「討論の生の記録」も,役に立ちそうです。
そして,「教師のための討論の技術・方法」も。
先人達は,討論の授業はなかなか難しいとしています。
でも,討論の授業を成立させるには,それこそ80年前の昔から,大切にされている原理や原則があるのです。
1 討論の題材は,大切なものに限定すること。(教える場面を限定する。教える内容を限定すること。)
2 様々な場面で討論を取り入れること。
3 討論には,自由な雰囲気が必要で,誰もが発表できる空気が必要なこと。(誰が活躍するかわからない。)
4 差別を許さない,自由な学級が必要なこと。(自由で平等な学級を創ること。)
5 調べた資料をもとに討論を行い,社会の矛盾を解決していくことに力点を置くこと。
◇ただ,大正自由教育運動を進めた教師たちは,進歩的な教師だということで,かなりひどい迫害にも遭っています。
これも,一つ記憶しておかなければならないことです。
ただ,誰がどういう行動をしたのかも,かなり詳細に記録に残されているのが救いです。
誰が迫害したのか。
誰が邪魔をしたのか。
後世に伝えるべき情報で,さっそく引用し,記録しました。
やはり,こういう迫害の記録,邪魔をされた記録,理不尽な扱いをされた記録は,残しておかないといけないのです。歴史の事実として・・。
先人のバトンは,後世へとつないでいく必要があります。