◇新卒教師の多くは悩んでいます。
学級経営の問題。
授業の問題。
行事の指導や、校務分掌の進め方。
宿題処理やテストの採点などの学級事務のやり方。
多くのことが初めてなので、悩んでいる人が多くいます。
◇私が教員だった時代、「何も勉強しなくていいのだ」といって現場に出た人の末路は悲惨でした。
どの人も例外なく,学級が荒れに荒れました。
学生の時分は、勢いがあり、自信に満ちた人でも、現場に出ると、壁にぶつかる人が多いのです。
◇私は、新卒教師が悩むのは、ある意味で、良いことだと思っています。
悩んでいる人ほど、教師という仕事に真剣に取り組んでいる証拠だと思っています。
ただ,注意点もあります。
それは,悩んでいるがゆえに,間違った方向へ進む危険性があるということです。
・怒鳴って静かにさせる。
・できる子だけに活躍してもらって授業を進める。
・行事を必死にやって、クラスが盛り上がるが、普段の授業がおろそかになる。
これらは、間違った方向に進んでいる例です。
間違った方向へ進んでいると,教師自身が心の中で「何か違うな」と思えてきます。
これが続くと,「もう教師なんて辞めたい・・・。」と思えるようになります。
◇悩みがあるということは、壁にぶつかっているのでよいことです。
しかし,「進むべき正しい道」が理解できていて,悩んでいることが条件です。
「進むべき正しい道」が,言い換えれば,「努力の方向性」が分かっていないのなら,それは,間違った方向へ全力で進んでしまうかもしれないのです。
「進むべき正しい道」を知るには,若いうちから、できるだけ本を読んで勉強をしておく必要があると考えています。
読むべき本は、「教師としてどのように力量を高めていったのか」が書かれている本です。
ただし、注意することがあります。
「綺麗ごとしかかいていない本」は、役に立たないということです。
では、どんな本を選べばよいのでしょうか。
一言で言えば、「泥臭い本です」
若い教師が自分の未熟と闘かった様子が書かれた本です。
◇今は立派な教師と言われる人でも、悩みとともに、力量を上げていったはずなのです。
汗をかき、泥まみれになった日々があったはずなのです。
本を読むと、綺麗ごとしか書いていない本に出くわすことがあります。
「これは嘘だな。」と思ってしまいます。
禅問答のような感じなのです。泥臭さがないのです。
本当は、どんなに優れた教師でも悩んだ末に、今できる最善手を考えて繰り返し実践した結果、実力を伸ばしてきたはずなのです。
◇「先生の本は、泥臭いですね」と感想をいただきました。
以下の本です。
「大前流教師道」(学事出版)
泥臭い本というのは、私にとっては賛辞だと思っています。
先輩の泥臭い修業日記を読んで、現場のことを学んでほしいと思います。