◇体育が苦手で困っている教師は多いです。 「体育が苦手。示範ができない。」 「どう教えたらいいのかわからない。」 「体育が嫌いな子はずっと嫌いなまま。」 そんな話をよく聞きます。 ◇特に,「運動が苦手」という教師ほど,「体育を教えるのが苦手」と思っています。 このように,その教科が苦手だから,教えるのも苦手,というのは,小学校教師には多い悩みです。 例えば,音楽が苦手だから,音楽を教えるにも苦手だとか。 絵を描くのが苦手だから,図工を教えるのが苦手だとかいった具合です。 小学校では,国算理社だけでなく,体育,図工,音楽,家庭科,英語,道徳,学級活動,総合,劇,運動会・・・何でも教えなくてはいけません。 だから,苦手なものは教えにくいという悩みが生じるのでしょう。 ◇一方で,その教科は苦手だけど,教えるのは得意,という教師もいます。 つまり,二種類の教師がいるのです。 A その教科に苦手意識をもっているので,教えるのも苦手。 B その教科に苦手意識をもっているけど,教えるのは得意。 この違いはどこから生まれるのでしょうか。 答えは一つです。 教え方を知っているかどうかなのです。 教え方を知っていれば,自分は苦手でも,教えることは得意になれるのです。 ◇体育の授業も同じです。 「教え方を知っているかどうか。」 それが,授業で子どもを伸ばせるかどうかを決めるのです。 ◇体育主任をしていたので,いろいろなところで体育論文を発表してきました。 また,文部科学省委託のプロジェクトに参加もしました。 県の体育主任の先生に,体育実践の冊子を配布し,授業を公開してきました。 それらの実践全てをまとめたのが本書です。 「どの子も体育好きにするための本」です。
◇イラスト,写真を使い,「どういうポイントに気を付けて教えればいいのか」を紹介しています。 体育で言えば,次のような指導法を知っているかどうかが問われているのです。 @必ず全学年に教える内容の指導法(例えば,水泳25m達成の指導法) A最近のスポーツに対する指導法(例えば,フラッグフットボール) B陸上競技に関する指導法(例えば,走り幅跳びや高跳びなど。) Cニーズが高まってきている「体力づくり」に関する指導法(体ほぐしの指導法) D個人差が出やすい「ボール運動」に関する指導法(ソフトバレーやサッカー,バスケ) これに全て応えられる教師なら,大丈夫なのです。
本書には,全て指導法を入れています。
◇特に,水泳指導は,小学校教師ならば,全員ができなくてはいけません。
水泳指導は,子どもの命を預かって行うものです。
水泳指導ができない,は通用しません。
最近は,教員採用試験でも,「水泳ができるかどうか?」だけでなく,「水泳を教えられるかどうか?」が厳しく問われています。
それは,水泳の指導を知らないと,子どもが危険だからです。
せめて,水泳だけでも,教え上手になる必要があるのです。
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